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【書評】『逆説の日本史19 幕末代史編Ⅱ/井伊直弼と尊王攘夷の謎』井沢元彦

1.はじめに 

井沢元彦さんの著書『逆説の日本史19 幕末代史編Ⅱ/井伊直弼尊王攘夷の謎』を読みました。

 

井沢元彦 - Wikipedia

 

 

「逆説の日本史」シリーズを読み始めたのが2006年、もう10年になります。

出会いは駅の小さな本屋でした。平積みにしてある「逆説の日本史10/戦国覇王編」に目が止まりました。

5分ほど立ち読みしたところで筆者の理路整然とした読みやすい文章に惹き込まれそのまま購入に至りました。

 

その後はすっかりはまってしまい、シリーズの初巻(古代黎明編)から順番にゆっくりと読み進めています。本書はその19作目になります。

 

2.分かりやすさが本書(シリーズ)の特徴

日本史の知識レベルが中学生以下の私でも、ついに江戸時代末期まで読み進めることができました。

そして古代からの日本の歴史の繋がりを実感として感じられる様になりました。

今回井沢さんとしては珍しく「自慢話」と前置きしてあとがきに以下の様に述べています。

 

巷にいわゆる幕末史の本は多数あります。ひょっとしたらこの瞬間にも新しい本が出ているかもしれません。

しかしこの『逆説の日本史 幕末年代史編』ほどわかりやすい幕末史の本は他には無いと思います。

なぜ自信満々そう断言できるのか、理由は簡単です。他の本は「前後を見ていない」からです。「幕末史を通史の中の一環として捉えていない」からとも言えるでしょう。

 

 著者は「歴史の前後の繋がりのわかりやすさ」を重視しているようです。だから歴史の知識が少ない私でもスイスイ頭の中に入ってくるのかもしれませんね。これが井沢さんの著書と類書の違い、魅力だと思います。

 

 実際、他の歴史本を買って、途中で挫折したことが何回もありますが、井沢さんの本は小説等も含めて一気に読んでしまう感じです。

 

3.章立て

第1章 1858年編−戊午の密勅と安政の大獄

第2章 1859年編−正論の開国vs実行不可能な攘夷

第3章 1860・61年編−桜田門外の変 大老暗殺が歴史を変えた!

 

黒船来航が1853年、大政奉還が1867年ですから、幕末史の丁度中間にあたりますね。

武士の時代が終わるという大きな節目(大政奉還)まであと6〜9年です。

「逆説の日本史」シリーズは通常、人物や事件ごとに章立てがされている場合が多い為、年代が多少前後することもありますが、本書は「幕末年代史編」のタイトルの通り、 年ごとにストーリーが進む形で表現されています。付随して幕末史のキーマン(勝海舟岩倉具視西郷隆盛大久保利通桂小五郎坂本龍馬高杉晋作)の動きが表で分かりやすくまとめられています。

 

4. 最後に 歴史とは?

 

原因があり結果が生じる。この因果関係を歴史と言います。原因がわからず結果だけ書いていても、それは本当に歴史がわかったということにはなりません。そして結果は新しい原因となります。「前後」の「後」の方ですね。幕末史で起こったことが、以後の歴史特に昭和前期までの歴史にどんな影響を与えたか、そういうことにも目配りをしなければ、「通史の一環としての歴史」は書けません。 以上のような点について、この『幕末年代史編』シリーズでは充分留意したつもりです。

 

結果だけ見ても歴史は理解出来ず、因果関係を知って初めて歴史が分かったことになると筆者は述べています。

現代人が歴史を評価する際に、ついつい結果から評価してしまいがちなのですが、当時の常識やその時代に生きる人の気持ちや宗教が分からないと、読み違えてしまいます。井沢さんの著書には度々この様な内容が出てきます。歴史を読み解く際のポイントですね。

これは現代の生活でも何かを理解する時と同じことだと感じました。

 

私は家のスペースの関係で文庫版が発売されるまで読めませんが、続編を読むのがとても楽しみです。